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給排水管の更生・更新工事|大規模修繕と同時実施すべき理由と費用

給排水管の更生・更新工事|大規模修繕と同時実施すべき理由と費用

マンションやビルの修繕というと、多くの方がまず外壁塗装や防水工事といった「目に見える部分」を思い浮かべます。しかし建物の寿命を本当に左右するのは、壁の内側に隠れている給排水管であるケースが少なくありません。配管は建物と同じだけ長持ちするものではなく、およそ築25年から35年で寿命を迎えます。

そして厄介なのは、配管の劣化がほとんど表に出ないという点です。外壁のひび割れなら目視で気づけますが、配管は漏水事故が起きて初めて問題が発覚します。本記事では、給排水管の更生工事と更新工事の違い、費用の目安、そして大規模修繕工事と同時に実施すべき理由について、管理組合の理事や収益不動産オーナーの方に向けて分かりやすく解説します。

給排水管はいつ寿命を迎えるのか

配管の耐用年数は、使われている材質によって大きく異なります。1970年代から1990年代前半に建てられた建物では、亜鉛メッキ鋼管塩ビライニング鋼管が主流でした。亜鉛メッキ鋼管は内側から錆びていくため、耐用年数はおおむね20年から25年程度とされています。

一方、1990年代後半以降の建物では、内面を樹脂で被覆した耐衝撃性硬質塩化ビニル管ステンレス鋼管架橋ポリエチレン管が採用されるようになりました。これらは錆びないため、40年以上の耐用年数が期待できます。つまり、自分の建物がいつ建てられ、どの管種を使っているかを知ることが、修繕計画の出発点になります。

排水管も同様です。共用の排水立管には排水用硬質塩化ビニルライニング鋼管がよく使われますが、継手部分の腐食や、長年蓄積した油脂・スケールによる詰まりが問題になります。国土交通省の長期修繕計画作成ガイドラインでも、給水管・排水管の更新は築30年前後の推定時期として想定されています。

劣化のサインを見逃さない

配管の劣化は、いくつかの兆候として表れます。以下のような症状が出ている場合、内部で錆や詰まりが進行している可能性があります。

– 朝一番に蛇口をひねると赤茶色の水が出る(赤水) – 水圧が以前より明らかに弱くなった – 排水の流れが悪く、ゴボゴボと音がする – 排水口から異臭が上がってくる – 同じ場所で漏水が繰り返し発生している

特に赤水は給水管内部の腐食が進んでいる明確なサインで、放置すれば突然の破断による大規模な漏水事故につながります。一度でも漏水事故が起きた建物は、同じ系統で再発する可能性が高いと考えるべきです。

更生工事と更新工事の違い

配管改修には大きく分けて二つの方法があります。違いを正しく理解することが、適切な判断につながります。

更生工事(ライニング工法)は、既存の配管を残したまま内部を清掃し、エポキシ樹脂などをコーティングして再生する工法です。配管を撤去しないため、工期が短く費用も抑えられます。ただし効果の持続はおおむね10年から15年とされ、いずれ更新が必要になります。また、管の肉厚が極端に薄くなっている場合は施工できません。

更新工事(取り替え工法)は、古い配管を撤去して新しい配管に入れ替える工法です。費用は更生工事の1.5倍から2倍程度かかりますが、新品同様の状態になり、次の40年を見据えた根本的な解決になります。近年は壁や床を壊さずに新しい配管ルートを設ける「露出配管」や「さや管ヘッダー工法」も普及し、住戸内の負担が軽くなりました。

どちらを選ぶかは、建物の築年数と今後の保有方針で決まります。築30年を超えて長期保有を前提とするなら更新、築25年前後で一旦延命したいなら更生、という判断が一般的です。

費用の目安と資金計画

配管改修の費用は、住戸数や配管ルートの複雑さで変動しますが、おおまかな目安は次のとおりです。

給水管の更新工事は1戸あたりおよそ30万円から60万円、排水管の更新工事は1戸あたりおよそ25万円から50万円が相場とされています。更生工事の場合は、給排水いずれも1戸あたり15万円から30万円程度に収まるケースが多く見られます。

50戸のマンションで給排水管をまとめて更新するなら、総額で3,000万円前後の費用が想定されます。これは外壁・防水を中心とした大規模修繕工事に匹敵する金額です。修繕積立金の計画にこの費用が織り込まれていない管理組合は決して珍しくなく、いざ必要になった時点で資金不足に陥る事例が多発しています。

大規模修繕と同時に実施すべき三つの理由

給排水管の改修を、外壁や防水の大規模修繕と同じタイミングで実施することには、明確なメリットがあります。

第一に、共通仮設費の重複を避けられる点です。現場事務所、資材置き場、仮設トイレ、警備員の配置といった費用は、工事を分けて発注すれば二重にかかります。一度にまとめれば、この分をそのまま削減できます。

第二に、住民や入居者の負担を一度で終えられる点です。配管更新は住戸内に職人が立ち入り、断水を伴う作業が発生します。外壁工事のベランダ立入制限と時期を合わせれば、生活上の我慢を一回にまとめられます。賃貸物件であれば、入居者への通知や退去リスクの管理も一度で済みます。

第三に、建物全体を一体で診断できる点です。外壁のひび割れから浸入した雨水が、実は配管まわりの腐食を早めていた、というケースは実際にあります。外装と設備を切り離さずに調査することで、原因の取り違えを防げます。

外装コストを抑えて配管予算を確保する

とはいえ、外壁修繕と配管改修を同時に行えば、総額はどうしても大きくなります。ここで有効なのが、外装工事の仮設コストを圧縮するという考え方です。

従来の大規模修繕では、足場の仮設・解体費用が工事総額の20%から25%を占めます。1億円の工事なら2,000万円前後が、実際の補修ではなく「足場」に消えている計算です。ロープアクセス工法は、屋上のアンカーから専門技術者がロープで降下して作業する無足場工法で、この仮設費を大幅に削減できます。

浮いた予算を配管改修に回せば、同じ積立金で外装と設備の両方を手当てすることが現実的になります。もちろんロープアクセスがすべての建物に最適とは限りません。全面的なタイル張替えや大量の下地補修が必要な場合は、足場を組んだほうが効率的です。低層部だけ足場を組み、高層部をロープアクセスで施工するハイブリッド工法という選択肢もあります。

進め方と事前準備

配管改修を検討する際は、まず現況調査から始めます。給水管であれば内視鏡カメラによる管内調査やサンプル管の抜管調査、排水管であれば管内カメラ調査で、実際の劣化度合いを数値で把握します。感覚ではなく調査データに基づいて判断することが、過剰投資と手遅れの両方を避ける近道です。

次に、竣工図面で配管ルートと管種を確認します。図面が見当たらない場合は、管理会社や施工会社に問い合わせます。図面がないまま見積もりを取ると、工事中の想定外が増え、追加費用の原因になります。

そして総会決議です。住戸内に立ち入る工事は住民の理解が不可欠なため、調査結果の報告会を早い段階で開くことをおすすめします。赤水のサンプル写真や管内カメラの映像は、文章の説明よりはるかに説得力があります。

まとめ

給排水管は建物の血管にあたる部分であり、外壁と同じように計画的な修繕が必要です。更生工事は費用を抑えて延命する選択、更新工事は次の数十年を見据えた根本解決という違いを理解したうえで、自分の建物に合った方法を選んでください。

そして、大規模修繕との同時実施は、仮設費の重複回避、住民負担の一本化、建物の一体診断という三つの利点をもたらします。予算が課題となる場合は、ロープアクセス工法やハイブリッド工法によって外装の仮設コストを圧縮し、その分を設備改修に振り向けるという発想が有効です。

まずは築年数と管種を確認し、劣化のサインが出ていないかを点検するところから始めてみてはいかがでしょうか。


株式会社明誠について

株式会社明誠は、マンション・ビル・ホテルの大規模修繕工事を専門に手がける建設会社です。当社の最大の強みは、従来の足場工法、無足場工法であるロープアクセス工法、そして両者を組み合わせたハイブリッド工法の3つの工法から、建物ごとに最適な工法をご提案できる、日本でも数少ない会社であるという点です。

ロープアクセスにおいては、日本で初めてのフランチャイズ展開も行っており、塗装・防水・タイル・電気・看板工事など各分野の専門職が加盟していることで、高品質かつ低価格な工事の提供を可能にしています。

また、徹底した安全管理体制のもと、国際基準に準拠した機材と高度な訓練を受けた専門技術者によって、業界トップクラスの安全性を実現しています。「安全第一」を企業理念に掲げ、お客様の建物とそこに住まう・働く方々の安心を守りながら、最高品質の修繕工事をお届けすることをお約束いたします。

大規模修繕工事をご検討の個人オーナー様・法人様は、ぜひ一度、株式会社明誠までお気軽にご相談ください。建物の状態を丁寧に診断し、最適な工法とプランをご提案させていただきます。

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